1. “涼”を楽しむ、日本のわざ
“涼”を楽しむ、日本のわざ “涼”を楽しむ、日本のわざ
  “涼”を楽しむ、日本のわざ  



職人仕立ての“涼”で、日本の夏を楽しみませんか

日本では昔から、蒸し暑い夏に“涼”を楽しむことを考えてきました。
それも体感だけではなく、目や耳でも“涼”を感じられるように。
そうした昔ながらの粋な習慣を、思い出してみませんか。
こちらでは、風で“涼”を楽しむ2つの職人技をご紹介します。

風で涼む――草木染め和紙団扇


ほんのり色づいた和紙から届く風が、優しくて柔らかい。
竹の程良いしなやかさが、懐かしい情緒のある風を
思い出させてくれます。
涼しいだけでなく、草木の自然な香りまで感じられそう。

杉山江見堂」は、明治32年から続く団扇工房。
和紙の草木染めから竹の骨への張り込みまで
お一人でされているという、
3代目の杉山さんに製作風景をのぞかせていただきました。

丸竹の団扇骨、国の重要無形文化財である
那須楮(こうぞ)100%の本美濃紙。
ここで使われているそれら自体が、
天然素材に多くの手と時間をかけてできたものです。

草木染めの染料も、
杉山さん自らが栗の皮や桜の樹皮などから煮出して用意。
折りや絞りといった日本の伝統的手法を用いて、
和紙の一枚一枚に、美しい絵柄や模様を染め付けていきます。

染色が乾いたら、
文様を付けた表地と無地の裏地を貼り合わせる作業へ。
細い団扇の骨を一本一本、手作業で均等に開いていきます。
最後に抜き型で団扇の形に裁ち、
縁に和紙を巻き付ければ完成です。

本美濃紙の柔らかな透け感と、
ほのかに香ってきそうな草木染めの文様。
そして骨や柄の竹の質感が、爽やかで涼やかな雰囲気。
たおやかにしなる手づくりの団扇だからこその、
心地良い風が肌を通り過ぎます。

ご自身のつくられる団扇のように、
穏やかな雰囲気の杉山さんご夫婦。
あおぐほど手になじむ、日本の“涼”を届けてくれます。
今年の夏は草木染めの団扇で、
あなただけの風を探してみませんか。



音で涼む――江戸風鈴


ちりーん。からん。
風を清らかな音に変えて、耳で“涼”を愛でる。
なんと風流で、粋な夏の楽しみ方でしょうか。
涼しさだけでなく、
ゆったりとした時間も感じさせてくれます。

創業大正4年の「篠原風鈴本舗」は、
江戸の職人たちが磨き上げてきた
ガラス風鈴の伝統を受け継ぎながら、
新たな息吹を吹き込む「江戸風鈴」の工房。
その風鈴づくりの様子を、
代表の篠原恵美さんにご案内いただきました。

まるで氷菓子のように透明で涼やかな、
原材料のソーダガラス。
これを1320度の炉で融かして
オレンジ色の熱い風鈴のたねをつくります。
長い筒の先に適量を取って空中で一気に膨らませると、
ガラスがみるみるうちに透き通って、
おなじみの愛らしい形に。

江戸風鈴づくりに欠かせない、
この「宙吹き」という技法は、
修得するのに10年はかかるという熟練の職人技。
清らかで涼やかな風鈴の音は、
そんな職人の汗から生まれてくるのです。

風鈴の中で揺れる「振り管」が当たって、
音を出す部分が「鳴り口」。
ここをあえてざらざらに仕上げるのが
「江戸風鈴」の特徴です。
滑らかにすると振り管がスリップして、
かえって音が出ないのだそう。
細かな凹凸が音を鳴りやすくし、音色に響きと個性を加えます。

長く楽しんでもらえるようにと、
絵柄を内側に入れるのが伝統。
つるつるのガラスの曲面に
中から左右反対に描くには、長年の経験が必要です。
どこまでも手づくりだから、形も音色も絵柄も、
世界にただ一つ。
透明なガラスの清涼感と季節を感じる絵柄で、
目でも“涼”を楽しめます。

厄や邪気を払うとして、
縁起の良いものだったという風鈴の清らかな音。
「江戸風鈴」には、
江戸っ子の粋と職人の技が詰まっています。
お気に入りの音と絵を見付けて、
自分だけの“涼”を味わってみませんか。



“涼”を楽しむ


細くたなびきながら虚空に消える、
耳を清めるような音色の余韻。
たおやかに、ゆらりゆら。優雅なしなりが送るやわらかな風。
そして、草木染めとガラスの優しく清らかな景色・・・。
風が運んでくれる日本の“涼”を、
ささやかにおすそわけします。


こちらの「夏の味わい方」も、
いかがですか



ご協力ありがとうございました。

― 草木染め団扇 ―
「杉山江見堂」
山梨県南巨摩郡富士川町鰍沢1531-1
TEL:0556-22-0169
WEB:http://www.emido.jp/

― 江戸風鈴 ―
「篠原風鈴本舗」
東京都江戸川区南篠崎町4丁目22-5
TEL:03-3670-2512 WEB:http://www.edofurin.com/

※特設サイト「夏を味わう」の
トップページ写真で使われている切子風鈴は、
スタッフ私物です。
「篠原風鈴本舗」の商品ではございません。

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