1. 世界のいろいろな革たち

世界のいろいろな革たち

羊革

世界で10億頭以上飼われている羊の革は、世界的に見ると実はポピュラーな素材!

CHECK POINT

1. 羊のタイプは2種類。良い革が取れるのは、毛が寝ている「ヘアシープ」と呼ばれるタイプ。

2. 年齢によって、革は「ラムスキン」と「シープスキン」に大別。ラムスキンの方が高級品。

3. 薄くて軽く、保温性が高いので、ジャケットやコート、手袋などの衣料用によく使われる。

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ご存じですか?2種類の羊

「羊」と聞いて、どのような姿を思い浮かべますか? 実は、大きく分けて羊には種類が2つあります。白い毛がモコモコふっくら生えているお馴染みの羊は「ウールシープ」と呼ばれ、高緯度の寒冷地域で飼われているタイプ。主に羊毛を採る品種です。もう一つは「ヘアシープ」という、比較的温暖な地域で飼われているタイプ。ウールシープとは違って毛が寝ており、乳や肉を目的に飼われています。


この2種類のうち、革は主にヘアシープからつくられます。ウールシープは寒冷地にいるため皮下脂肪が厚く、革にすると2層に剥がれたり浮きを生じたりしやすくなるからです。また毛穴が多くて深く、繊維が粗いため、強度がやや落ちます。一方、ヘアシープは温暖な地域にいるため脂肪も毛も少なく、革繊維の密度も充実。食肉用なので、原皮が手に入りやすいのも利点となっています。

子羊の革は最高級レザーのひとつ

羊の革は大きく分けて2種類あります。生後1年以上飼育された羊の革が「シープスキン(sheep skin)」、それより若い子羊の革が「ラムスキン(lamb skin)」です。さらに、生後半年以内の幼獣の革を「ベビーラムスキン」と呼ぶこともあります。いずれも牛革などに比べるととても薄くて軽く、しなやかで柔らかいのが特徴。また、ふっくらとした質感で保温性が高いという性質もあります。


中でも、ラムスキンは子羊の革なのでサイズが小さく、食用にされる数も少ないため、シープスキンよりもはるかに希少な革になります。またとても薄いため少し強度が劣りますが、その分さらに柔軟。そして肌目が細かいので表面が美しく、うっとりするほど優しい肌触りを楽しめます。この希少性と柔らかさのため、ラムスキンは数ある皮革素材の中でも非常に高級なものとされているのです。

衣料用やインテリア、本の装丁に

薄くて軽くて柔らかく、手触りがソフトで保温性が高い。こうした性質から、羊革が最もよく使われてきたのが衣料品のジャンル。たとえばジャケットやコートなどの上着、レザーパンツなどに使われてきました。薄くてよく馴染むことから、手袋(特にゴルフグローブ)にもしばしば使われています。また肌に直接触れるソファやクッション、チェアや寝具の高級素材としても、昔から重宝されてきました。


ラムスキンの場合は衣料用の他に、その表情の美しさや心地良い手触りから、欧米では本の装丁や手帳カバーとしても非常に人気があります。また気品のある風合いや軽さを活かして、高級ハンドバッグの素材としても高い評価を得ていますが、もともとのサイズが小さいためかなり高価なものに。ベビーラムスキンのハンドバッグになると、まさにラグジュアリーなアイテムになります。

話のタネになるまめ知識 羊革のお手入れは羊毛のオイルで

革のケアオイルの主成分として使われるオイルには植物性・動物性、鉱物性に合成性と様々なタイプがあります。それらの中でよく使われるものに、「ラノリン」という黄色味を帯びたラード状の油脂があります。これは実を言うと、羊毛の表面を包んでいる皮脂の主成分。カットした羊毛を洗浄する際に得られる油脂を精製して得られるもので、羊毛を乾燥や寒さなどから守る成分です。


このラノリンは古来より、化粧品の材料として珍重されてきました。浸透力が高いので角質層まで浸み込み、保水力が高いため保湿効果が豊かで、肌を柔らかで瑞々しくするのだそうです。これらの保湿力・浸透力の高さはそのまま革にも発揮されるので、革用のケアオイルとしても有効だというわけです。特に羊革のアイテムなら、ラノリン入りのオイルの方が革も喜ぶかもしれませんね。

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