1. 革のなるほど。 vol.15〜


革のなるほど。

知ると誰かに話したくなるような、
革などにまつわるエピソードやまめ知識をご紹介します。

革
革

鞄や財布などの革小物にもしばしば使われている「ファスナー」は、英語では元々「スライドファスナー」と呼ばれています。紐やボタンで閉じる面倒をなくしたこの画期的なパーツは1891年のH.ジャドソンの発明がルーツとされ、1921年にB.F.グッドリッチ社が「ジッパー」という商品名で大量生産化に成功。元々登録商標名だった「ジッパー」は、現在では完全に一般名詞化しています。

日本で「ファスナー」を指す別の言葉には「チャック」がありますが、実はこちらも元々は商標名です。1920年代後半に、サッと開閉できる巾着(きんちゃく)をもじって「チャック印」と名付けられたファスナーが出たのがきっかけ。こちらも今では完全に一般名詞化して、「お口にチャック」などと言われるまで親しまれました。

※こちらの製品は、製造・販売を終了いたしました。

革
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ダイアモンドはご存知の通り、土や岩石の中から掘り出された原石を磨き込んで宝石になります。ところが、実は革にも「掘り出して磨く」ことでできるものがあります。それが、「コードバン」という革です。いみじくも“革のダイアモンド”と呼ばれるこの革の原皮は、農耕馬の肥厚した尻の皮。しかしコードバンとして使われる部分は、普通の革のように皮膚の表面にはありません。

コードバンになる部分は、なんと皮膚の中に「埋まって」います。そのため馬の尻皮を鞣した後、できた革を表裏両面から削ってゆき、最も繊維が密になっている芯の層だけを文字通り「掘り出す」のです。さらに掘り出した芯の層を裏返し、つるつるのメノウの玉などで丁寧に磨いてようやく完成。こうしてできたコードバンは、“革のダイアモンド”の異名通りの美しい革に仕上がります。

コードバンを使った商品はこちら

革
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今から1300年以上も前、当時の中国・唐の皇帝を虜にした世界三大美女の一人、楊貴妃(719〜756)。その彼女が、美しさを保つために密かに服用していたという生薬があります。それが、今でも高級漢方にある「阿膠(アキョウ)」です。これはなんとロバの皮を煮込んでつくったゼラチンの一種で、細胞や血液の健康に必要なアミノ酸などが豊富に含まれています。

この「阿膠」は中国で貴族階級の女性たちの秘薬だったようで、滋養強壮や新陳代謝の活性化、肌や髪の保湿などに効果があるとされていたようです。なかでも最も有名なのは、清朝の第10代皇帝・同治帝の母である西太后(1835〜1908)のエピソード。若いころ、なかなか子宝に恵まれなかった彼女がこの「阿膠」を服用したところ、見事に世継ぎの出産に成功したのだそうです。

革
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毛皮と違い、革素材は基本的に食肉用に飼育された動物から採られるもので、しかも食肉加工の際に出たものを再利用しています。したがって、食用とされる動物にはたいてい革素材が存在します。たとえば三大和牛の中でも最高級のブランド肉である「松坂牛」。これにももちろん、「松坂牛革」があります。しかし、これまではあまり革素材として利用されることがありませんでした。

その理由の一つは、松坂牛の身体が小さいこと。つまり、革を採る効率が悪いのです。そしてもう一つの問題は、肉と同様に、皮膚にも脂が大量に含まれていること。なんと、普通の牛の3倍も含まれているのだそうです。このために松坂牛の原皮は上質に鞣すことが非常に難しく、かつては芯材くらいしか作れなかったそうです。しかし鞣し技術の向上によって、今では高品質の「松坂牛革」が可能に。脂を多く含むために磨くほどに艶が出て、独特の美しい風合いを楽しめるそうです。

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