1. 革のなるほど。 vol.5〜8


革のなるほど。

知ると誰かに話したくなるような、
革などにまつわるエピソードやまめ知識をご紹介します。

革
革

サッカーボールがほとんど人工皮革でつくられるのに対し、未だに本革でつくられるのが野球の硬球です。硬球は中心にコルクがあり、その周りをゴムが包んで、さらに毛糸や綿糸でグルグルに巻いてあります。そして最後にその周りを2枚の牛革で包み、108目のステッチで縫合します。

日本で使われる硬球の革は、90%が兵庫県・姫路市での製造。乳牛種であるホルスタインの雄の原皮を、アルミニウムやホルマリンを使う特殊な方法で芯まで真っ白に鞣します。ちなみにプロ野球用には、安定した革質の背中部分を使用。さらに社会人・大学・高校……と下がるにつれて、革のグレードが低くなります。なおサインボールには、革質の緩いお腹の革が使われています。

革
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包丁とまな板に次ぐ寿司職人の道具といえば、ワサビおろし。おろし金を使う店もありますが、腕利き職人は「サメの皮」を張った板を使います。サメ皮はエイ皮と同様、表面に歯と同じリン酸カルシウムの細かい鱗がびっしり並んでザラザラ。そのため、ワサビおろしに好適なのです。

中でも寿司職人に人気の最高級品は、「カスザメ」というナマズに似た平たいサメの皮。鱗が細かく粒が揃っているため、ワサビがムース状になるほどきめ細かくおろせます。ちなみにサメ皮でおろしたワサビは香りと辛味の成分が活性化されるので、少量でかなり効くそうです。

革
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古代の「紙」と言えばエジプトのパピルスが有名ですが、欧州では気候的に傷みが早かったため、貴重な書物・証書には「羊皮紙」が使われました。これはその名の通り、主に羊の鞣していない皮でつくられるもので、2,200年前にトルコで生まれたと言われています。その製法は長く、職人組合(ギルド)の秘法でした。

羊皮紙の中でも最高級とされるのは「vellum(ヴェラム)」と呼ばれるもので、子羊や子牛の皮から作られます。これはとても薄くて丈夫な上、きめが細かく書き味が滑らかなので、非常に珍重されました。羊皮紙は中世以降、中国から入ってきた紙が普及してあまり使われなくなりましたが、1000年以上保管できるといわれるほど保存力が高いため、今なお外交や儀礼の文書用に使われているそうです。

革
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豚の飼育数で世界1位となっている国は、豚料理が盛んな中国。その数は実に5億頭近くとなり、世界の豚の約半分が中国にいる計算です。ところがその中国では、なんと豚革を日本からわざわざ輸入しています。原皮は使いきれないほどたくさんあるはずですが、これは一体どういうことなのでしょうか?

実を言うと中国では、豚の皮は「素材」ではなく「食材」として扱われているのです。豚皮はゼラチン質が非常に多いため煮込むとトロリした触感になり、非常に美味。そのため中国では、豚肉は皮を付けたまま調理されることが多く、豚の皮そのものも具材になっています。料理大国・中国の手にかかってしまうと、ピッグスウェードの原材料も美味しい食べ物になってしまうのです。

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