1. 革のなるほど。 vol.1〜4


革のなるほど。

知ると誰かに話したくなるような、
革などにまつわるエピソードやまめ知識をご紹介します。

革
革

人間の歯と同じ成分でできた革がある、と言ったら驚かれるでしょうか。これほど奇妙な革は他にはちょっとありません。

人間の歯はリン酸カルシウムという一種の石でできていますが、それを表面にみっちりと敷き詰めた奇妙な革があるのです。それは、なんとエイの革。そう、海にいるあのヒラヒラした魚の革です。

リン酸カルシウムの部分は、粒々の細かい鱗。皮の鞣しは、この硬い鱗をつけたまま行います。これには特殊な技術が必要で、非常に時間も手間もかかりますが、できた革を磨くと半透明の粒々が煌めき、見惚れるほど。“革の宝石”という異名も納得です。

革
革

一般的に「合皮(ごうひ)」と呼ばれている素材には、大きく分けて2種類あります。 1つは「合成皮革」、もう1つは「人工皮革」です。

「合成皮革」は、綿や麻などの織り生地に合成樹脂を塗ったもの。一方の「人工皮革」は、不織布というフェルトのような生地に合成樹脂を染み込ませたり、表面に塗り重ねたりしたものです。

用途は丈夫で弾力のある人工皮革が広く、衣服や靴、鞄・ランドセルから球技のボールにまで採用されています。特にサッカーでは、本革のボールは水を吸って重くなるため、人工皮革が主流。W杯では1986年のメキシコ大会から使われています。

革
革

1973年、イギリス南西部・プリマス沖の海底から1隻の船が引き揚げられました。その名はカテリーナ・フォン・フレンスブルグ号。これは1786年に、セントペテルスブルクからジェノバに向かう途中に沈没した貨物船で、積荷からは「ロシアンカーフ」と呼ばれるトナカイの革が見つかりました。

これはその名の通りロシアで作られていた革で、後のロシア革命でその製法が失われ、“幻の革”となっていたものでした。驚いたことに、発見された革の中には腐敗していないものがあり、奇跡的に再生することができたそうです。しかし、船から引き揚げできた分の一部しか再生できなかったため、世界でもっとも希少な革として、おそろしく高価な素材となっています。

革
革

京の舞妓さんや歌舞伎役者の間では、昔から化粧落としに真っ白な鹿革が重宝されてきました。これは兵庫県・姫路の伝統的製法「白鞣し」で作られた鹿革で、使うのは菜種油と塩、そして清流の川の水だけ。この革で顔を拭くと余分な角質や毛穴の老廃物が取れ、肌がすべすべに保たれるのだそうです。

その理由は、鹿革の革質にあります。鹿革は非常に微細なコラーゲン線維が超高密度で絡まり合っている素材で、その線維の細さは髪の毛の15万分の1。そのため肌触りがたいへん優しく、どんな微細な汚れも逃さず吸着してしまうのです。しかも白鞣しの革は水に強いので洗えばくり返し使え、100%天然仕上げなので身体にも安心。昔の人の知恵には、感服するばかりです。

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