1. 季節の暮らしかた - 春を綴る言葉たち -

少しずつ風が柔らかになり、ふっくらと膨らんだ新芽や蕾から春の気配を感じられるようになってきました。
新しいことの始まるこの時季は、何かと慌ただしく、ゆっくりと季節を味わう時間のないままに通り過ぎてしまいがちです。

厳しい寒さを越えて生命が動き出す春の訪れは、心弾むこととして、古くからさまざまな言葉で表現されていました。忙しい季節だからこそ、ほんの少し時間をつくって、春を表す味わい深い言葉に触れてみませんか。きっと五感で季節の移ろいを楽しめるのは、とても豊かなことだと改めて感じられるはずです。

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花冷え


「花」とは「桜」のことで、桜の花が咲く頃に寒さが戻って、急に冷え込むこと。
暖かな日が続いたかと思えば寒さに震える日もあり、体調を崩しやすいこの時季に、相手を気遣うメッセージにさらりと加えても。

木の芽時


春に芽吹くさまざまな樹木の芽。その芽が萌える頃のこと。
冬の間に養分を蓄え、みずみずしく膨らんでいる様子は生命力にあふれ、ようやく訪れた春を喜ぶ気持ちを表現しています。身近な植物をよく観察してみると「木の芽時」をより実感できるかもしれません。


うららか


春の日差しが柔らかで、のどかな様子。朗らかで伸びやかなさまも表現しているそう。文字の雰囲気や響きも柔らかく、会話にさりげなく取り入れたり手紙に添えたりしてみたい言葉です。


風光る


春が深まり、日差しがだんだん強くなってくると、吹く風がきらきらと光り輝いて見える様子を表しています。
ちなみに、初夏の爽やかな風は「風薫る」と表現するのだそう。季節の移り変わりに合わせて使い分けるのも情緒がありますね。

水温む


寒さが和らぎ、春の日差しをたっぷりと浴びた川や湖沼の水も、次第に温かさが感じられるようになってきた、という意味。水辺の生き物たちが活発に動き出す姿が目に浮かぶような言葉です。春の兆しを感じる優しい響きで、心までほっと温まりそうです。

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季節を楽しむ美しい言葉を、親しい人への手紙にそっとしたためても。
毎日の暮らしの中で、さりげなく季節感を取り入れられたら素敵ですね。




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