1. ストーリー・気仙沼ニッティング 第4話
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第4話

とっておきの糸を使って

第3話では、足立区・西新井の「土屋鞄製造所」の工房に伺って、ランドセルの職人さんたちにお話をうかがいました。

それまでは「くつしたをプレゼントしたら、どうだろう」と考えていたのですが、毛糸で編んだ厚手のくつしたは、立ち仕事を担当する職人さんには使いにくく、また、工房の中をそのまま歩くとすべって危ないということがわかり、断念。気仙沼ニッティングの編み手さんから土屋鞄の職人さんへのプレゼントの案は、いったん白紙になりました。出直しです。

気仙沼に戻って、編み手のじゅんこさんと、社長の御手洗は、また相談をしました。
土屋鞄の職人さんたちに、よろこんで使ってもらえるものは、なんだろう。

ヒントになったのは、ランドセル職人の吉村さんの言葉です。

「私は、床の上であぐらの姿勢で仕事をしているのですが、
足の上にエプロンが掛かりますし、ランドセルも抱きかかえている感じなので、
下半身は意外とあたたかいのです。それより、上半身が冷えるかなぁ」

編み手のじゅんこさんは言いました。
「首まわりを、あたためるといいんじゃないかしら」

そう。襟もとがあたたかいと、全身が、ぽかぽかとしてきます。
それに、首のまわりにあたたかくて気持ちがいいものがあると、
なんだか気持ちが落ち着き、安心するものです。

冬もせっせと工房でランドセルをつくっている土屋鞄の職人さんたちに、
なにか首まわりをあたためるものをお贈りしたい。
でも、マフラーやストールは、ダメです。
万が一、はしっこが機械に巻き込まれると、危ないから。

そこで、考えました。

「そうだ、ネックウォーマーにしましょう。
ネックウォーマーなら、職人さんも、
使いやすいんじゃないかしら」

さっそく、じゅんこさんが編み針を持って、
試作品を編んでみます。

▲ネックウォーマーを編むじゅんこさん。使いやすいものができるまで、何パターンも試します

最初に編んだのは、こちら。
つかったのは、気仙沼ニッティングのオリジナル毛糸です。

気仙沼ニッティングの毛糸は、軽くて丈夫な糸なので、
職人さんたちが仕事中にタフに使っても、簡単には傷みません。

▲これが、オリジナル毛糸で編んだ、ネックウォーマーの試作第1号

でも、毛糸で編んだネックウォーマーは、
こんな風に立ってしまい、口元にかぶってしまいました。
防寒はばっちりなのですが、
下を向いて作業をすることの多い職人さんにとって、
これでは邪魔になってしまうでしょう。

▲残念ながら、毛糸のネックウォーマーは、首元でかさばってしまいました

そこで、秘策を思いつきました。

「そうだ、あの糸を使いましょう!」

糸を変えて編んだネックウォーマーは、
こんな風にやわらかく、首まわりになじみます

▲糸を変えて作った試作品。首によくなじむようになりました

▲じゅんこさんは、いいものができるまで、何度も試作品をつくります

▲やわらかくなるように、編み方もいろいろ試してみます


さらに、職人さんが使いやすいように
ネックウォーマーの高さも縮めました。
これで、手元を見るときも邪魔にならないはずです。

▲ネックウォーマーの高さも低くして、首まわりがすっきりしました!

そして最後に、もうひと手間かけて、
この糸を、よりやわらかくします。

試行錯誤の末に、できました。
「職人さんのネックウォーマー」。

さて、よろこんでもらえるでしょうか?

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