冬時間を楽しもう Vol.1
シュトーレンをつくろう
手づくりには喜びがある
夫婦でフードユニットを組み、活動する安居未緒さん。おばあさまから教わった、旬を大切にしたあたたかみのある味に定評があります。
「自分でつくれば、使う材料も量も決められるのが良いですね。たとえばお砂糖も、白砂糖ではなくきび砂糖を選んでみる。体にやさしいものを選べば、味もおのずとやさしくなるんです。それに『おいしい』っていう言葉がとびきりうれしいのも、手づくりならでは」
おいしさとうれしさの両方を大事にされている安居さん。今回は、ドイツの伝統的なお菓子のシュトーレンのレシピを教えていただきました。
1.中種をつくる
[1]Aをボウルに入れて混ぜ、まとまってツヤッとするまで5分ほどこねる。
[2]ラップをして30度前後で30分ほど発酵させる。発酵機能のあるオーブンを利用するか、ストーブのそばなど30度くらいありそうな場所に置いておくのでもよい。この時の発酵は、ひと回り大きくぷくっと膨らむ。
2.中種の発酵待ちの
前半20分間にフィリングを準備
[1]ラム酒漬けレーズンの水気をザルなどで切っておく。
[2]トースターかフライパンのから炒りで、くるみとスライスアーモンドをロースト。粗く砕く。
[3]ドライアップル、オレンジピールを刻む。
3.中種の発酵待ちの
残り10分頃から本ごね
[1]ボウルに常温に戻したバターを入れ、クリーム状になるよう練る。途中、きび糖と塩を加えて、白っぽくなるまで混ぜる。
[2]溶いた卵を[1]に少しずつ入れて混ぜ、振るった強力粉と薄力粉、アーモンドプードル、スパイス類を混ぜる。
[3]粉気がなくなったら中種をちぎって入れる。こね台(まな板でもよい)に移し、完全に混ざるまで3分ほどこねる。
[4]広げてフィリングを散らし、折りたたむ。折りたたみながら、お好みでフィリングを加えていき、何度か折りたたんでいく。
[5]丸めてボウルに入れ、ラップをして30度前後で30分ほど発酵させる。この時の発酵は、見た目にはあまり変化がない。
4.成形する
[1]生地を裏返し、めん棒で伸ばしてから、包むよう二つ折りにしてなまこ型に。
[2]オーブンシートを敷いた天板にのせ、30度前後で30分間、二次発酵させる。
[3]180度で30分焼く。
[4]焼けたらすぐに、溶かしバターを裏まで全体にたっぷりと塗る。その上から、グラニュー糖をまぶす。
[5]冷めたら粉糖をたっぷりつけ、粗熱がとれたらサランラップでぴったり包み、冷蔵庫で寝かす。2〜3日後、バターや砂糖が馴染み、1週間後くらいが食べごろ。
POINT
・一次発酵と二次発酵で、オーブンが30度に設定できない場合の対処法。一番低い温度(たとえば45度なら45度)に設定し、30度ほどに上がってきたらオーブンのスイッチを切り、それ以上は温度が上がらないようにして様子を見ます。
・2本分つくる場合は、一次発酵が終わったらこね台にのせます。スケッパー(包丁でもよい)で分け、それぞれを丸くまとめて布巾をかけてさらに10分休ませましょう。
出来上がったら、大切な人と一緒にいただきます。同じ味を顔を見合わせて、「おいしいね」と分かち合う。そんな時間は、なによりの贈り物になるはずです。
安居未緒さん
夫婦でフードユニット“meme meal(メメミール)”として活動。東京・鳥越のカフェ Tで料理を提供するほか、ケータリングや出張社員食堂などもおこなっている。今年からは、世界のおばあちゃんのレシピを訪ねる活動を開始。祖母から受け継いだレシピをもとに、丁寧な料理を提供している。
https://www.instagram.com/meme_meal/