1. ファーストスプーンができるまで。1
ファーストスプーン
ファーストスプーン
ファーストスプーン

ファーストスプーンづくりは、木の目を読むところからはじまります。木の目(木目)とは、木の断面に現れた繊維の方向。木の目を読みながら、どこにさじ面がくるか、判断します。間違った取り方をしてしまうと、耐久性が弱くなってしまう。だから、木の目の流れが弱いところを見定める必要があります。ここで「勝負が決まる」大事な作業。
スプーンの方向を決めたら、型を使って鉛筆で印をつけていきます。木片に緩やかな曲線が描かれ、スプーンの形が浮かび上がってきました。

ファーストスプーン
ファーストスプーン

ベルトサンダーで、スプーンの形を整えます。慎重に、なめらかな曲線を描くように。さくさく作業をしているように見えますが、集中力と力がいる作業。
試しに、アトリエにあった木片でベルトサンダー作業を体験させてもらうと、全然思うように削れません。勢いよく動くベルトサンダーに引っ張られて手元がぶれてしまいます。laboratory主宰の田中さんが簡単そうに作業しているように見えるのは、長年の経験と技があってこそ。時折、スプーンを目の高さに持ちながら、左右のバランスを確認します。
「ここである程度形を決めないと、仕上がりに影響するんです」

ファーストスプーン
ファーストスプーン

スプーンに中心線を引きます。ここで使うのが、「毛引き」。部材に同じ幅で印をつけるための大工道具です。カスタマイズして、刃の代わりにシャープペンの芯が装着できるようにしたもの。ここで、最終的な形を描き込みます。
「シンメトリーになっているかが大事なんです」
その線をもとに、もう一度帯鋸(帯状ののこぎり)やベルトサンダーで、形を切り出していきます。

ファーストスプーン
ファーストスプーン

いよいよ、さじ面を削る作業。まずは、木型にあわせてさじの位置に印をつけます。スプーンを手で固定しながら、のみで少しずつ削り、0.8mmの深さに。スプーンを回しながら削り進め、整えていく。丸くさじを削る作業が、すべての工程のなかでいちばん難しいという。
さじの深さは、深すぎてもごはんが残ってしまうし、浅くてもうまくすくえません。0.8mmという深さがちょうどいいそう。スケールで測ってみると、ちょうど0.8mm。たくさんのファーストスプーンを手がけてきた田中さんは、目や身体がその感覚を覚えてしまっているのです。

ファーストスプーン
ファーストスプーン

サンドペーパーを使って、やすりがけを行います。まずは、粗いサンドペーパーを使用。人差し指にぐっと力を入れて押すように削ります。サンドペーパーは「磨く」のはでなく「削る」ためのもの。この違いを意識していないと、この作業が無駄になってしまいます。

次へ
ファーストスプーン Gift set

TOP