1. No.15 寒に咲く色

革職人

コツコツつくって50余年の工房を、ウロウロとしてみます。
つくる職人、使う道具、できあがったものに近づいたり離れたりしながら、
工房の音や声、匂いを綴るコラムのような、ちょっとしたよもやま話です。

工房

2014/01/14

寒に咲く色

また、新しい一年が始まりました。新春や迎春という言葉を目にしますが、ぐっと気温が下がる「寒」に入って、朝や夜の寒さがキーンと凍みますね。「寒の入り」から9日目の頃を、「寒九(かんく)」と呼ぶそうです。この日に降る雨は、豊作の兆し。春を呼ぶ、春を告げる雨のようです。

「寒」の時期は水の質が良いとされ、澄んだ空気と水で晒された染め物は、色が鮮やかになると言われています。デザイナーたちのテーブルにも、そんな鮮やかな色が広がっています。ひとつずつ微妙に色味や表情の違う同系色の革をスクラップした見本帳は、モザイク画のように美しく愉しげにデザイナーの創造力を刺激します。

木々も目をつぶる静かな季節の中に、春風を届けてくれるスクラップ帳。今年はどんな鞄や小物ができるかなと見ているだけで心が弾んできます。厳しい寒さがあるからこそ待ち遠しい明るくて暖かな新しい季節にむけて、デザイナーも職人たちも、熱気十分。工房には、色と熱が広がっています。


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