1. No.13 使い心地の計測

革職人

コツコツつくって50余年の工房を、ウロウロとしてみます。
つくる職人、使う道具、できあがったものに近づいたり離れたりしながら、
工房の音や声、匂いを綴るコラムのような、ちょっとしたよもやま話です。

工房

2013/12/06

使い心地の計測

土屋鞄の食堂の端に、小さな熱気を感知しました。近づくと、ずらり揃えた計測道具やカメラを前に、なにやら作戦会議をしているデザイナーチーム。すると、ひとりの男性スタッフがやってきました。デザイナーの目がキラリ、何かが始まりそうです。

「では、ここを改札だと思って通ってください」と、デザイナーが小さな台を指さしました。「あっ、はい……ピッ……」と、男性スタッフ。デザイナー「次はお会計です。1250円になります」。スタッフ「えっと・・・電子マネー派なんで、ピッと・・・」。デザイナー「おぉ~、手強いですね~。そうきましたか。ちなみに、カードは何枚入っていますか?」と、矢継ぎ早の質問に、スタッフはタジタジです。

ものが入った状態のまま、製品の重さや厚みを計測。色や形を選んだ理由、使い心地、持ちものの内容、細かな動作や要望をチェックシートに記録します。製品のデザインは、ファッション性だけではなく、道具としての機能を充たさなくてはいけません。一見、不自由にも思える基本サイズなどの制限も、ものづくりのインスピレーションにつながります。

日々変化していく生活スタイルに敏感でいること。そして常に、小さな改善を積み重ねること。コツコツと地道なデザイナーのもうひとつの顔を、「使い心地調査隊」の現場からお届けしました。


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