1. No.11 エイジング考

革職人

コツコツつくって50余年の工房を、ウロウロとしてみます。
つくる職人、使う道具、できあがったものに近づいたり離れたりしながら、
工房の音や声、匂いを綴るコラムのような、ちょっとしたよもやま話です。

工房

2013/12/06

エイジング考

本革の鞄を使い始めるときの初々しさ。少しぎこちない緊張感も好きですが、「いい革の魅力は、円熟期にあり」。やはり、そう宣言したいと思います。

老化と聞くと、当然アンチエイジング。美容界で耳にするこの言葉も、レザー界ではウェルカムエイジング。対照的に、経年変化こそ魅力です。

ウイスキーなどのお酒も、同じように熟成することで味や色が深くなり、香りが立ち、まろやかになります。繊維の詰まった質量のあるいい革は、時間とともにオイルを加え磨くことで、革の本当の美しさを見せてくれます。

写真の鞄は、8年目の円熟後期。革をよく知り、誰よりも革を愛する革のスペシャリストの愛用品です。さすがに良い艶、良い顔ですね。


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