1. No.08 熱を縫う

革職人

コツコツつくって50余年の工房を、ウロウロとしてみます。
つくる職人、使う道具、できあがったものに近づいたり離れたりしながら、
工房の音や声、匂いを綴るコラムのような、ちょっとしたよもやま話です。

工房

2013/11/01

熱を縫う

持つ人も、職人も、憧れる鞄「ダレスバッグ」をつくっています。すべてのパーツが組み上がると、ベテランでも40分程度かかるクライマックスの手縫い作業。「手縫いは職人の工夫と気配り、やっぱり気持ちが入る仕事だよ」。さらり、何気なく話す職人。

続けて縫っているように見えて、実は、途中で糸を縛っていたり、職人の技術が隠されている手縫い。そして、やはり力のいる仕事です。手縫いの一日が終わる頃には、屈強な職人の腕にも痛みが出ます。

厚い革で包まれた鞄の口の周りを、ひと目ひと目大切に熱を込めて。風格という意志を鞄に吹き込むと、憧れの鞄ができあがりました。


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