
製品へのこだわりと同じように、
店舗も細かいところまでていねいにつくりあげたい。
自分の家のように感じる空間。
そして、心地よくゆったりと過ごしていただけたら。
土屋鞄にとって鎌倉店は、ほかの店舗とはまた少し違った思い入れがあります。工房併設の本店以外に、はじめてつくった店舗が鎌倉でした。
店舗を、製品を並べるただの箱にしたくない。来てくださったお客様に何を感じていただきたいか。スタッフみんなでいろんな想いをめぐらせながら、つくりあげました。もちろん、いまでもその店舗づくりへの想いは変わっていませんが、私たちスタッフも初心に戻れるすこし特別な場所です。
鎌倉店は、一度大きく姿をを変えています。オープンから6年たった2011年、築50年を超えていた建物の老朽化により、大幅なリニューアルをすることに。地元の方やたくさんのお客様に親しんでいただいたオープン当初の面影を残しながら、2012年4月に新しく生まれ変わりました。
リニューアルオープンから、1年4ヶ月。
土屋鞄をご愛用してくださっている方にも、はじめましての方にもぜひ訪れていただきたい。そして、リニューアル前の店舗に足を運んでくださっていたお客様にも。今回は店舗内に散りばめたこだわりを、いくつかご紹介します。

【左】オープン当初の鎌倉店。【右】リニューアルした現在の鎌倉店。


鎌倉店に着いたら、まずはエントランスから店内に続く床に注目してみてください。
壁に対してタイルが斜めに敷かれていることに、気がつくと思います。
これは「四半敷」という、目地が縁に対して45度になるように敷く手法。鎌倉時代からはじまった、禅宗寺院建築の様式「禅宗様(ぜんしゅうよう)」の特徴のひとつです。
鎌倉という、質実剛健な歴史ある街に調和する空間をつくりたい。
店内には、禅宗様の美意識からヒントを得たつくりが、いくつかあります。



あたたかみを感じる、質感。店内の壁は、すべて漆喰(しっくい)でできています。
漆喰は調湿機能に優れており、建物内の湿度を一定に保つことができます。そのため、古くから寺社や土蔵などに用いられてきました。素材自体が呼吸し、時間がたつにつれ、しだいに味がでてくる。そして、天然素材で身体にやさしい。
漆喰は、どこか革と似た特徴をもっています。この点も、漆喰を選んだ理由のひとつです。
手がけたのは、重要文化財なども手がける京都の左官職人・山本忠和さん。信頼できる技術をもった職人さんを求め、たどりつきました。熟練の技術が一面に広がる、自慢の美しい壁です。

床のこと、設計担当スタッフから話をきくまでは、こんなに気にとめたことはありませんでした。
床は、手で触れることはほとんどありませんが、
面積が大きいため空間のなかでとても大きな影響があります。
1階の床は、玄昌石製。寺院の庭先に使われることも多い素材です。
1階奥のカウンター近くから由比ヶ浜通りの方向を眺めると、入口から差し込むふわっとした光が、石のダイナミックな表情を見せてくれます。製品に使われている、水牛革の質感に似ているようにも感じます。
2階の床は、ナラ無垢材フローリング。表面は黒く仕上げていますが、その下に茶色が隠れています。
使い込むほど、だんだんと複雑な色合いに変化していくのです。表面のざらざら具合やツヤのでかたなども細かくオーダー。何度もサンプルをつくっていただき、仕上げました。
革と同じように、時間が経つにつれ味わい深くなることを楽しめる店内です。



革の質感や鞄の色を確認するには、天然光がいちばん適しています。しかし、革は日にあたり続けると日焼けをしてしまいます。そのため直射日光を避け、北側の安定した光を採り入れています。
2階のいちばん高いところに、採光のポイントとなるステンドグラスの窓があります。
この北窓からの光が、革を自然な状態でみせる大事な役割を果たしています。
時間帯によって、ここから差し込む光は鞄に向けられたスポットライトのようにもみえるのです。


ことばと写真だけでは伝えきれない、鎌倉店を体感していただきたい理由。
スタッフでさえも、行くたびに心地いいなと思うポイントが増えます。
ゆったりとソファに座ってすこし目線を落としたところからみた店内だったり、
階段途中からみる吹き抜けの空間だったり。
すこし足を延ばして、ぜひお越しください。
土屋鞄製造所・鎌倉店
JR鎌倉駅から店舗までは、徒歩約10分。
江ノ電和田塚駅からだと、徒歩約3分。
JR東京駅からJR鎌倉駅までは、電車で約1時間です。
〒248-0014 神奈川県鎌倉市由比ガ浜 1-10-2
0467-61-3300 (店舗直通)
03-5647-5123 (お問い合わせ)
営業時間(4〜9月):11:00〜19:00
営業時間(10〜3月):11:00〜18:00
定休日:毎週火曜日



製品へのこだわりと同じように、店舗も細かいところまでていねいにつくりあげたい。
自分の家のように感じる空間。
そして、心地よくゆったりと過ごしていただけたら。土屋鞄にとって鎌倉店は、ほかの店舗とはまた少し違った思い入れがあります。工房併設の本店以外に、はじめてつくった店舗が鎌倉でした。
店舗を、製品を並べるただの箱にしたくない。来てくださったお客様に何を感じていただきたいか。スタッフみんなでいろんな想いをめぐらせながら、つくりあげました。もちろん、いまでもその店舗づくりへの想いは変わっていませんが、私たちスタッフも初心に戻れるすこし特別な場所です。
鎌倉店は、一度大きく姿をを変えています。オープンから6年たった2011年、築50年を超えていた建物の老朽化により、大幅なリニューアルをすることに。地元の方やたくさんのお客様に親しんでいただいたオープン当初の面影を残しながら、2012年4月に新しく生まれ変わりました。
リニューアルオープンから、1年4ヶ月。
土屋鞄をご愛用してくださっている方にも、はじめましての方にもぜひ訪れていただきたい。そして、リニューアル前の店舗に足を運んでくださっていたお客様にも。今回は店舗内に散りばめたこだわりを、いくつかご紹介します。

【左】オープン当初の鎌倉店。【右】リニューアルした現在の鎌倉店。


鎌倉店に着いたら、まずはエントランスから店内に続く床に注目してみてください。壁に対してタイルが斜めに敷かれていることに、気がつくと思います。
これは「四半敷」という、目地が縁に対して45度になるように敷く手法。鎌倉時代からはじまった、禅宗寺院建築の様式「禅宗様(ぜんしゅうよう)」の特徴のひとつです。
鎌倉という、質実剛健な歴史ある街に調和する空間をつくりたい。店内には、禅宗様の美意識からヒントを得たつくりが、いくつかあります。


あたたかみを感じる、質感。店内の壁は、すべて漆喰(しっくい)でできています。
漆喰は調湿機能に優れており、建物内の湿度を一定に保つことができます。そのため、古くから寺社や土蔵などに用いられてきました。素材自体が呼吸し、時間がたつにつれ、しだいに味がでてくる。そして、天然素材で身体にやさしい。
漆喰は、どこか革と似た特徴をもっています。この点も、漆喰を選んだ理由のひとつです。
手がけたのは、重要文化財なども手がける京都の左官職人・山本忠和さん。信頼できる技術をもった職人さんを求め、たどりつきました。熟練の技術が一面に広がる、自慢の美しい壁です。

床のこと、設計担当スタッフから話をきくまでは、こんなに気にとめたことはありませんでした。
床は、手で触れることはほとんどありませんが、面積が大きいため空間のなかでとても大きな影響があります。
1階の床は、玄昌石製。寺院の庭先に使われることも多い素材です。1階奥のカウンター近くから由比ヶ浜通りの方向を眺めると、入口から差し込むふわっとした光が、石のダイナミックな表情を見せてくれます。製品に使われている、水牛革の質感に似ているようにも感じます。
2階の床は、ナラ無垢材フローリング。表面は黒く仕上げていますが、その下に茶色が隠れています。使い込むほど、だんだんと複雑な色合いに変化していくのです。表面のざらざら具合やツヤのでかたなども細かくオーダー。何度もサンプルをつくっていただき、仕上げました。
革と同じように、時間が経つにつれ味わい深くなることを楽しめる店内です。



革の質感や鞄の色を確認するには、天然光がいちばん適しています。しかし、革は日にあたり続けると日焼けをしてしまいます。そのため直射日光を避け、北側の安定した光を採り入れています。
2階のいちばん高いところに、採光のポイントとなるステンドグラスの窓があります。この北窓からの光が、革を自然な状態でみせる大事な役割を果たしています。
時間帯によって、ここから差し込む光は鞄に向けられたスポットライトのようにもみえるのです。

ことばと写真だけでは伝えきれない、鎌倉店を体感していただきたい理由。
スタッフでさえも、行くたびに心地いいなと思うポイントが増えます。ゆったりとソファに座ってすこし目線を落としたところからみた店内だったり、階段途中からみる吹き抜けの空間だったり。
すこし足を延ばして、ぜひお越しください。
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