1. ロールペンケース「私の巻き方」

タイトル

ペンを挿し、くるりと革で巻く。シンプルだからこそ愛したくなるかたち。枠にはまらない自由な使い心地が、多くの人を魅了します。
このペンケースから顔を出すのは、どんな文具や道具でしょう。"ものづくり"に携わる、4人のロールペンケースを紹介します。

家と革に共通するのは「味が出る」というところでしょうか。その"味"も一朝一夕ではなく、時間をかけて変わるもの。味が深まってくるものっていうのは魅力がありますね。

私は、設計をするとき、時間を意識しています。1日、1年、一生。1日なら、太陽が上って沈む陽の光。1年なら、季節ごとの過ごしやすさや、季節の移り変わりが感じられること。そして、一生、子どもたちが受け継ぐその先まで続く、生活を守る家をつくること。意識しているといっても完璧である必要はなくて、その家の持ち主が、快適な環境を手をかけて作って欲しいと思っているんです。

想像の膨らむ空間を提供する。そこから、それぞれの味わいが出てくるものが、本物だと言えますよね。100年住める家というものは、人が手直しし、手入れをするからこそのもの。住む人が、その気持ちを持てる家をつくるのが、私たちの仕事なんです。

一番伝わるフレーズはなんだろうかと考え、繋ぎ合わせ、文章にする。その環境づくりは大切にしています。このロールペンケースは、書くということの準備をさせてくれるアイテム。

私は青色が好きなので、青のインクや外装が青いペンを選ぶことが多いんです。一枚のオイルヌメ革でくるまれたペンケースを解き、一度気持ちを落ち着けて、本当に伝えたい言葉だけを選ぶ。紐を解く動作と革に触れる時間が、ペンを走らせるスイッチになってくれているんです。

デザインをするとき、想像力を大切にしています。製品となる過程で関わる人たちのことを思い浮かべたりもします。工房やスタッフみんなのこと、製品を手にしてくれるお客さまのこと。革のサンプルやステッチに使う糸も実際に手にとってイメージしています。

ペンも太いもの細いもの、鉛筆、色もたくさん用意したい。なので、2つのロールペンケースを使っているんです。開いてしまえば直感的に取り出せる見渡しやすさが私の仕事の仕方にとっても合っています。

1年ほど前に作った、自作ロールペンケースを使っています。

元はペンを入れていたんですが、最近は道具入れになりました。新人が増えて、その指導で工房の中を行ったり来たりすることが多くなったので、よく使うものはこれに入れて持つことにしたんです。教えるのは大変ですが、みんな熱心で自分も学ぶところが多い。自分の入りたての頃を思い返して、初心に戻ってやっています。


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