長く「使える」だけでなく、 ずっと「使いたくなる」 ものを目指して。vol.1

TIMELESS

長く「使える」だけでなく、
ずっと「使いたくなる」ものを目指して

長く使い続ける価値 Vol.1

2023.10.26

一つのものを、長く大切に使いたい。
なぜ私たちは、一つのものとじっくり向き合う姿勢を「いいこと」だと感じるのでしょうか。

土屋鞄でも、あまりに当たり前の価値観であるがゆえに、これまで語られてこなかった「長く大切に使うこと」への思い。その価値観が育まれた背景には、土屋鞄ならではの歴史がありました。

私たちが、なぜものを長く使うことを大切にしているのか。工房責任者として長年土屋鞄のものづくりに携わってきた金澤が、その思いの源泉を語ります。

TIMELESS

長く「使える」だけでなく、ずっと「使いたくなる」ものを目指して

長く使い続ける価値 Vol.1

2023.10.26

一つのものを、長く大切に使いたい。
なぜ私たちは、一つのものとじっくり向き合う姿勢を「いいこと」だと感じるのでしょうか。

土屋鞄でも、あまりに当たり前の価値観であるがゆえに、これまで語られてこなかった「長く大切に使うこと」への思い。その価値観が育まれた背景には、土屋鞄ならではの歴史がありました。

私たちが、なぜものを長く使うことを大切にしているのか。工房責任者として長年土屋鞄のものづくりに携わってきた金澤が、その思いの源泉を語ります。

ランドセルから始まった、
日々に寄り添えるものづくり

私たちは、ブランドの価値観の一つに「Timeless」を掲げています。時代に左右されないデザインはもちろんのこと、手にしてから何年経っても飽きがこない、むしろ年月と共に愛着が深まっていくもの。ものづくりの際には、常にその理想を念頭に置いています。

長く使えることがものづくりの前提にあるのは、土屋鞄がランドセルから始まった会社だからという背景もあるかもしれません。ランドセルは、小学校の6年間使い続ける前提で買っていただくもの。しかも思い入れの強い製品でもありますから、壊れたら買い換えればいい、というものでもありません。

やんちゃざかりの小学生がどんなに激しく動いたり、荒っぽく扱ったりしても、壊れることなく6年間使い続けられること。そのために工夫を重ねてきた歴史があるからこそ、大人向けの鞄でも、長く使っていただくことを前提に考えている部分はありますね。

もう一つ、ランドセルづくりを通して感じるのは、ものに染み込んだ思い出や愛着はずっと残り続けるということ。

私たちが提供しているリメイクサービスopen_in_newに寄せられたお客さまの声に目を通すたびに、そのことを痛感させられます。

長く大切に使われたものにはたくさんの思い出が染み込んでいるからこそ、例えものとしての役割は終わっても、愛着は残り続けます。そんな愛着のあるものと少しでも長く時を重ねていくお手伝いをしたい。この思いが、土屋鞄が掲げる「Timeless」の根底にあります。

大人向けの鞄や小物の場合は、ランドセルとは違って使う年数に縛りはありません。使い手が望めば何年でも何十年でも、暮らしに寄り添い続けることができます。しかも、革という素材には、思い出と時間をものにより深く刻んでいく力があると思うんです。

共に年を重ねることができる
素材としての「革」

左から愛用4ヶ月、3年、5年、8年、10年(ナチューラ ヌメ革Lファスナー/オーク

日本では年をとることをネガティブに捉える風潮もありますが、革製品を扱っていると、年を重ねるのはむしろポジティブなことだと感じます。年月が経てば経つほど、革は風合いを増して色つやを深め、使い手の体になじんでいく。時間と共に「育てる」ことができるんです。

革は人の皮膚と同じで、ケアの仕方や使われている環境によって、表情が変化していきます。だから同じ製品でも、5年、10年経った時のエイジングのされ方は使う人によって異なるんです。使い手がどう使い、どれだけ手を掛けてきたかが映し出されるところも、革製品の面白さですよね。

最近では、お手入れがいらないように加工を施した便利な革も増えました。しかし利便性や効率が重視される時代だからこそ、あえて手間ひまをかけ、共にゆっくりと時を重ねることができる、天然皮革ならではの楽しみも伝えていきたい。

私たちが長年、革という素材を大切にし続けてきた理由がここにあります。

上質を、シンプルに。
長く「使いたくなる」ものづくり

長く使いたくなるものをつくるには、デザインの力も欠かせません。丈夫なだけでなく、使うたびに心が満たされる美しさがあれば、「長く使いたい」という思いは一層強くなると思うからです。

まずは、長く「使いたくなる」ものをつくること。そのうえで、長く「使える」工夫を凝らすこと。その二軸があって初めて、愛着につながっていくのだと思います。

特に私たちは、革の良さを生かしたデザインを重視しています。それぞれに異なる革の特徴を熟知し、上質な革の魅力を最大限に楽しめるシンプルな佇まいを大事にしていることが、結果的にタイムレスなデザインにつながっているのかもしれません。

ものに愛着を刻む
ケアや修理への取り組み

土屋鞄では、ものづくりだけでなく、修理やケアといったアフターサポートも大切にしています。製品を買っていただいて終わりではなく、共に月日を重ね、愛着のあるものへと育っていく過程をお手伝いすることも、私たちの役割だと思っているからです。

例えば店頭では、無料のお手入れサービスを提供したり、ケアの目安をお伝えするメンテナンスカードをお渡ししたりと、購入後も寄り添いつづけるための取り組みを行っています。また、製造だけではなく、修理も自社の職人が行っているのも土屋鞄ならではの特徴かもしれません。

修理工程:表裏の革の針穴をまち針で合わせ、接着をしている作業

修理工程:既に空いているミシン目に一穴ずつ糸を通している作業

これまでは、こうしたケアサービスや修理、ランドセルのリメイクといったアフターサポートはそれぞれの部署が担当していました。しかし、長く大切に使いたい気持ちに寄り添うサービスをより強化するために、リユースも加えた4つのサービスを新たに「CRAFTCRAFTSopen_in_new」という事業部として発足させました。

ものは使えば使うほど、そこに思い出が宿り、かけがえのないものになっていきます。トレンドは移り変わっても、共に時を重ねてきたものは、自分だけの唯一無二の存在です。変化の激しい時代だからこそ、一つのものを変わらずに使い続けることの喜びが、今また注目されているのかもしれません。

好きなものは、長く使いたい。
根底に流れるシンプルな思い

土屋鞄では、職人やバックオフィスのメンバーも含め、普段は接客をしないメンバーも一年に一度はランドセルの販売を行います。販売スタッフ以外のメンバーにとっては、お客さまと直接お話しできる貴重な機会です。

そこでお客さまが期待に胸を膨らませる姿を目にしていると、自然と「長く大切に使っていただきたい」という気持ちが醸成されていきます。この積み重ねによって、言葉にせずとも何を大切にしたいか、優先すべきかといった感覚が共有されてきたのだと思います。

自分たち自身の暮らしを振り返った時にも、気に入っているものや思い出の詰まったものとは、なるべく長い時間を過ごしたい。だから土屋鞄の製品を愛用してくださっているお客さまの「長く使いたい」という思いにも、寄り添っていきたい。

そんなシンプルな思いが、「長く使うこと」に寄り添う原動力になっています。

長く使いたくなるものをつくり、長く使えるようにサポートしていく。私たちが掲げる「Timeless」の根底にあるのは、創業時から変わらないシンプルなものづくりへの思いです。

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