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ものづくりのこと、製品のこと、
日々の記録とともにお届けします。

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CATEGORY:  SNS企画  土屋鞄の工房/オフィス

工房で職人たちを見ていると「一所懸命」という言葉が浮かびます。
それぞれの役目を粛々と果たしたうえで、チームワークも大切に。
丁寧かつ、スムーズに、製造していく・・・。

そうして一つひとつ、職人の手で仕上げられる製品が
お客さまの相棒になることを想像すると、
大げさかもしれませんが感動すら覚えてしまうのです。

1965年、2人の鞄職人により、東京のランドセル工房として始まった土屋鞄製造所。
その何倍もの人数に職人が増えた今でも、仕事への姿勢は変わりません。

「丈夫で、品格のあるものづくりをしたい」

これは、ランドセルにも、大人の方に向けた革製品にも根付く、思いの一つ。

土屋鞄と出会い、手にして、お使いいただくお客さまに
私たちの製品と長く付き合うことで、親しみや愛着を重ねていただきたい。
時代が変わっても傍らに寄り添う、
相棒のような製品をお届けしたい、と考えています。

そのためにも、より良いものをつくる。
職人が目指すのは、これに尽きるといっても過言ではありません。

今回、取り上げるのは、そんな職人の1人。
土屋鞄で鞄職人としてのキャリアをスタートさせ、
今年で8年目を迎える門井の元を訪ねました。

優しくはにかむ表情から一転、仕事中は眼鏡の奥がキュッと締まる門井。
28歳のとき、料理人から鞄職人へ。
現在、36歳。工房の今後を担う一人として、周囲から一目置かれる存在です。

「製造リーダーとして、数人の職人と共に、必要に応じてさまざまな仕事をしています。今、取り組んでいるのは、これから発売予定の鞄が製造へ回ってきたときに、スムーズに作業が進められるか確認する作業。平面で企画・デザインされたものを、サンプル職人が立体に起こして、僕らに回ってくる。そのつくりが日々の製造で理にかなうのか、実際につくってみるんです」

いろいろな工程がある中で、もっとも好きなのはミシン掛け。

幼い頃から図工や料理など、手を動かすことが好きで、さらに機械好き。働き始めた日に見かけた、煙を上げながらガシガシと動く皮革製品用ミシンへの衝撃も相まって、憧れていたそうです。

「ちょっとでもズレると革に余計な穴が開くので、ミシン掛けはかなり集中します。仕事中に考えているのは、目の前の作業のこと。そして『今日1日が失敗なく、無事に終わるように』でしょうか。

鞄って、一人でまるっと一つつくるんじゃないんです。複数人で、パーツごとに分担して仕上げていく。だからチームワークが欠かせないんですよね。

人間だから、誰しも失敗はするんです。でも、失敗が少ない、もしくはしない日って、一緒にやっているチーム全体がうまくいってるんですよね。僕ら職人は、その日の目標やスケジュールを立てて仕事を進めるんですけど、それ以上にスムーズにいく日もあって。心一つに、同じ方向を見られた証拠かなって思います」

「チームワークで進める今が面白い」という門井ですが、
実は、最初から鞄職人を目指していたわけではありませんでした。
また、人と一緒に仕事を進めることにも、苦手意識があったと言います。

「僕は、そもそも活気のあるところが苦手なんです・・・(苦笑)。一人で仕事をする方が向いていると思っていました。8年前、ちょうど求人を探していた時に土屋鞄の職人募集を見かけたので、『これは』と応募したんです。職人といえば黙々と、一人で向き合うイメージがあったので」

小さく笑いながら、そのイメージは良い意味で覆ったけど、と続けます。

「実際に入社してみたら、僕より少し年上の30代の職人が多くて。ベテランもいますけど、20〜30代が集まっているからか、工房全体に活気があるんです。っていっても、静かな活気ですけどね。製造中は、それぞれが担当する仕事に集中しています。気になることや分からないことがあれば、すぐに先輩やリーダーに聞いて、また作業へ戻る。雑談は、ほとんどしない。

それでも仲が深まるのは、一緒に昼を囲んだり、休憩時間に珈琲を飲んだりしながら喋る、何気ない時間がリラックスできるからかもしれません。

ときどき呑みにも行きますよ。みなさん、面倒見がいいんです。職人といえば、上下関係が厳しいというイメージもあるかもしれないけど、土屋鞄の先輩は、そういう垣根がいい意味でなくって。尊敬しつつ、どこか友人のような感覚なんですよね」

「鞄職人になる前は、1足す1は2って思ってました。それが、3になることもあるんです。同じ目標に向かって、協力していくことで、効率が上がったり思わぬ力を発揮できたりする。3になった時は、わざわざ言わないけど・・・『みんなの力だな』って、じわっとうれしくなります」

ちなみに、手を動かすことは好きだけど、ものづくり好き・・・ではありません。
日々の楽しみは、毎朝のルーティンになっているトレーニング。
体を動かしてから始業するのが、心地良いのだとか。

「鞄職人だからって、ものづくりが好きでなくてもOKだと、僕は思う。まぁ、好きな人の方が、多いんですけどね(笑)。なんの仕事にせよ、一所懸命できれば素晴らしいんじゃないでしょうか。

僕のやりがいは、日々の『できた』の蓄積。鞄に限らず、職人の仕事って、一見地味なものや地道な作業も多いと思います。一日、一日にできることも、人の手だから限られている。でも、ふと振り返ったときに「あれもできた」「これも」と驚くことがあって。それは、チームワークのなせる技なんですよね」


とつとつと、鞄職人としての日々を振り返ってくれた門井。
年齢も、性別も、経験もさまざまな職人たちが一丸となり
一つの製品を仕立てていけるのは、
彼のような思いをもつ人が集まっているからなのだと感じました。

現在、土屋鞄の工房では、共に手を動かしてくれる鞄職人を募集しています。
初心者でも、ご安心ください。
まずは経験を積みませんか。
ご応募をお待ちしています。

詳しくはこちら


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