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■ラパス最大のお祭り“グラン・ポデール”に参加!
ラパス市で開催される“グラン・ポデール(Gran Poder「偉大なる力」)”は南米でも有数の大きなカルナバル(祭典)で、特に昼から夜中までぶっ通しで行われるパレードが有名だ。これは色とりどりの衣装に身を包んだ何十という楽団とダンサーたちが入れ替わり立ちかわり市の中心部を突き進みながら激しく踊り続けるものだが、このパレードにボリビア在住の友人夫婦とその仕事仲間の人たちが参加することになっていた。当初はそれを沿道から見物する予定だったのだけど、友人にサポートを頼まれたので、何か手伝いたくてうずうずしていた僕は二つ返事で引き受けた。そんなわけで僕は、思いがけずこの大イベントに参加するチャンスに恵まれたのだった。
友人たちのグループは、昼過ぎの13時ごろから行進を始めた。僕の役目はビデオとカメラで撮影をしつつ、踊っているメンバーに水やレモンのスライスを渡すことである。踊りは坂の上から出発し、メインストリートへと進むことになっていたが、始まってすぐ「これは尋常な運動量ではない」と気がついた。痛いくらいの日差しの中で絢爛な衣装を重ねて羽織るだけでも体力をかなり消耗するのに、そんな状態で激しく踊りながら何キロもの道のりを歩き続けなければならない。しかも直前にものを食べると腹痛などを起こすので、昼食は摂らない。それに加え、この空気の薄さである。最初の休憩まで、30分ほど踊り続けていただろうか。休憩に入るとほとんどのメンバーは地面にしゃがみ込み、肩で息をするような状態だった。これを4時間以上……想像するだけで、高山病になりそうだ。
だが彼らは結局ひとりも脱落することなく、5時間踊り続け、行進し切った。その間沿道からは歓声が上がり続け、飲み物を差し入れ激励する観客が続出した。いくつものテレビ局が取材に現われ、踊っていない僕までがインタビューを受ける一幕もあった。休憩の時、前を行進していたグループのメンバーにも水を渡したら、嬉しそうに破顔して握手をしてくれた。終着地点にたどり着いたとき、既に陽が落ちて辺りはすっかり暗くなっていたが、全員に大きな達成感があった。メンバーは日本人もボリビア人も関係なく抱きあい、きらびやかな衣装を身にまとったまま“サルゥー!”と乾杯をした。こんな素晴らしい時間を共に過ごさせてもらって、僕はとても幸せだった。最初で最後の出会いになるかもしれないけれど、この日知り合えたアミーゴたちを、僕はきっといつまでも忘れないだろう。
■世界遺産・ティワナク遺跡と奇跡の虹!
ボリビアを発つ前日、僕は友人に頼み込んで、有名なティワナク遺跡に連れて行ってもらった。この遺跡は1500年ほど前のものとされ、2000年には世界遺産に登録されている。ラパスからは車で1時間半位かかるが、途中、友人は眺めの良い場所に車を停めて早朝の景色を見せてくれた。眼下に千切れたような雲が浮き、遠くを望めば彼方一面に勇壮なアンデスの山々が広がっている。そんな絶景を堪能していた時、僕たちの目に朝日をとりまく大きく美しい円形の虹が飛び込んできた。写真では太陽にかかったカサのように見えるけれど、実際に僕たちが見たものは、紛れもない7色の虹だった。飛行機からではなく、まさか地上で丸い虹が見られるとは!ボリビアに住む友人夫婦も初めて見たという。まさに神の奇跡としか思えない光景に僕たちは見惚れ、しばらくの間その場に立ち尽くした。
それから数十分後、僕たちはティワナクに着いた。4000m近い山の上とは思えないほど平らな大地に遺跡が忽然と出現し、透明な空に浮かぶつかめそうなほど低い雲の下で、リャマが草を食べていた。ここはスペイン人が遺跡を破壊して自分たちの町をつくる材料に使ったことと、まだ6割以上が未発掘なために、目にすることのできる遺構はあまり多くない。だがそれでも半地下神殿やピラミッド跡、太陽の門やポンセの石像など本で見たことのある有名な建造物や遺物を間近でじっくり眺めることができた。周辺にも、単なる古い廃屋なのかそれとも放置されている未確認の遺跡なのか、素人目には判別し難いものがあちこちに点在している。1500年以上も前に鉄器なしで巨石を切り出しては加工し、これほどの規模でこれほどの建造物をつくっていたことに、僕は驚きを隠せなかった。
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